発見が困難なすい臓がんと癌の予防について
すい臓がんによる死亡者数は、年々増加しています。
胃がんは、日本人のがんの中で最も多いがんと言われており、最近では早期発見により完治できるようになってきています。
そんな中で、すい臓がんの治療が進まないのはどうしてなのでしょう?
すい臓がんには、特有の症状がないため、発見が遅れがちなことと、すい臓の位置が治療を難しくしていることがその理由に挙げられます。
すい臓の場所をみなさんご存知ですか?
すい臓は、みぞおちの奥で胃と脊髄の間にあり、十二指腸、脾臓に接しています。
十二指腸側から、すい臓の頭部、体部、尾部と呼ばれています。
すい臓がんは、頭部部分、すい頭部に発生することがほとんどだそうです。
すい頭部は、すい臓がんの多くが発生する場所で、膵液を十二指腸に運び、すい管と肝臓でつくられた胆汁を十二指腸に運ぶ役割をする胆管が合流する場所です。
それが、すい臓がんの治療を難しくし、肝臓などへの転移を早める原因になっているのです。
すい臓の周囲には、肝臓へいく肝動脈や腸へいく上腸間膜動脈、胃や腸から肝臓へいく静脈である門脈が張り巡らされていて、これらに癌が入り、肝臓などの臓器への転移を早めます。
これまですい臓がんは、発見されたときには既に手の施しようがないことが多い病気でした。
その為、手術中の死亡率も高かったのですが、日本すい臓病研究会が手術の指針を決定して以来、現在では安全な手術が可能になってきています。
死亡者数が年々増加してきているすい臓がんですが、何といっても癌にならないことが一番ですよね。
世界保健機構は、癌の3分の1は予防できると言っています。
癌の原因になっていると考えられる飲食物、タバコを避けることが癌の予防に繋がります。
また、ウイルスと関連のある癌については、ウイルスの予防接種を行うなどの対策もあります。
国立がんセンターの「癌を防ぐための12か条」を紹介します。
1 栄養はバランスよくとること。
2 毎日、変化のある食生活をすること。
3 食べすぎ、脂肪のとりすぎを避ける。
4 お酒は、ほどほどにしましょう。
5 たばこの吸う本数を少なくしましょう。
6 適量のビタミン摂取、繊維質のものを多く摂取しましょう。
7 塩辛いものは少なめにし、熱いものは冷ましてから食べましょう。
8 こげた部分は避けて食べましょう。
9 カビの生えたものに注意して食べましょう。
10 日光に当たりすぎないようにする。
11 適度にスポーツをすること。
12 体を清潔にしましょう。
人間には、癌から自分の身体を守ろうとする自然の力が備わっています。
しかし、私達は年を重ねるにつれて、抵抗力が衰えます。
そうなると癌になる率が高まるのです。
老化を止めることは無理であっても、心身ともに健やかで、若さを保てるように努力することはできますね。
そうすることが、癌の予防に繋がります。
私達の生活の中で、まず改善していきたいのは、食生活です。
胃がんが日本で多かったことは、皆さんよくご存知だと思いますが、それは、栄養状態が悪く、塩分が過剰だったからなのです。
近年、栄養状態が改善されるにつれて、胃がんの発生率は確実に低くなってきています。
しかし、食生活が欧米化してきた近年、逆に増えてきたのが、大腸がん、乳がん、すい臓がんなのです。
私達が癌にならないためには、予防をすることが大切なのです。
すい臓病と糖尿病の関係
すい炎とすい臓がんの因果関係は、はっきりとしていませんが、すい炎の増加と共にすい臓がんも増加していることは確かです。
癌において、すい臓がんに限らず、食事、環境、習慣性、代謝性などさまざまな因子の相互作用の可能性を考える必要があります。
しかし、慢性膵炎で、膀石のある人は、すい臓がんになる率がやや高い傾向にあるのです。
一説には、膀石がすい管をこすり、刺激を受けた部分に癌ができやすくなるのではないかと言われていますが、様々な説があるようです。
すい臓がんと膵炎が同じように増加傾向にあることから、すい臓病全体としてどのような症状があるのかを考えて、何かの不調を感じたら、徹底的に検査を受けることが大切なようです。
すい臓病が疑われた場合、採血や採尿で、アミラーゼやリパーゼなどの消化酵素の量の測定をします。
すい臓病の場合、消化酵素の量が上昇するのでそれを調べますが、慢性化した膵炎の場合、必ずしも上昇しないことがあるので、これだけの検査では診断を確定できません。
そのため次に行う検査は、画像診断です。
超音波、X線CTスキャン、すい管造影などの検査です。
これらは、すい臓の形態的な変化からすい臓病を診断する方法だそうです。
すい管造影とは、内視鏡を見ながら、細い管をすい管の中に入れて造影剤を注入し、すい管を撮影する方法です。
この方法は、慢性膵炎やすい臓がんの鑑別に威力を発揮するのですが、外来では無理なので、検査入院が必要です。
すい臓がんの原因になるものは、これといって特定することはできません。
すい臓がんだけでなく、他のどの癌もそれは同じです。
癌の発生は、促進要因となる、脂肪分の多い食事の摂取、アルコールの過剰摂取以外にも、環境、習慣、代謝など様々な因子の相互作用と考えられるのです。
また、他の疾患との因果関係の研究も、今は進められています。
すい臓がんの患者は、糖尿病を発症する率が高いそうです。
医師の指示通りの治療を行い、自己管理もしているのにもかかわらず、上手く糖尿病をコントロールできない糖尿病の患者で、上腹部や背中に痛みがある場合、すい臓がんを疑う場合もあります。
すい臓には、外分泌と内分泌という二つの重要な働きがあります。
糖分やたんぱく質、脂肪などを分解する酵素を多く含む消化液を分泌する働きを外分泌と言います。
インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌して、すい臓内部の血管循環のほうへ分泌する働きを内分泌と言います。
血液中の糖分レベルを下げる働きをしているインスリンの分泌が不足すると、血液中の糖分が多くなりすぎて糖尿病になってしまうのです。
すい臓がんに限らず、すい炎、すい臓病全体として、糖尿病との関係を考えたほうが良いかもしれません。